トラフィック

on VIDEO
原題：TRAFFIC
2000年／米映画／140mins.
監督：スティーブン・ソダーバーグ
脚本：スティーブン・ギャガン
出演： ベニシオ・デル・トロ／キャサリン・ゼタ・ジョーンズ／マイケル・ダグラス／ドン・チードル／デニス・クエイド

二度目。

２００１年のオスカーで、監督賞、助演男優賞（ベニシオ・デル・トロ）、脚色賞、編集賞の４部門に輝いた衝撃問題作品。１９８０年代のイギリスのＴＶシリーズ「TRAFFIK」を基に撮られた作品であるという事実は余り知られていないのでは。

この作品を観て思ったのが、ドラッグが日常的に氾濫しているアメリカ合衆国在住でなければイマイチピントこないのではないか、ということ。「アメリカン・ビューティ」で覚えた違和感は、結局、日本人には余り受け入れられず同作品が日本で大ヒットとはならなかったのと同じように、この映画も日本人受けが良かったとは到底言い難い。こういうアメリカ国内だけで受けるような映画を観ていつも頭に浮かぶのが、ビッグ・ネームが揃ってるから、という理由だけ買い付けてくる配給会社のバカ社員のことである。日本で公開されるつまらないハリウッド映画の責任は全て奴らのせいであることは疑いようのない事実だ。

さて中身はというと、バカなティーンエイジャーがドラッグの過剰摂取で死にかけたり、黒人街で白人が大手を振ってドラッグを漁りにきたり、というどの作品でも見受けられる当たり前の光景しか描かれていないので、独創性では今ひとつ。また意外性もないので、過去に公開されたドラッグ関連作品と何ら変わらないのである。ただ映画自体は上手くまとまっているのでソダ−バーグの監督賞は納得できる。それでも作品賞を取れるほどのいい作品ではないので、映画史に残る名作とは言えない。

ベニシオ・デル・トロ（オスカー助演男優賞）の存在感は必見だが、ビデオで観れば十分な作品である。

トラフィック [DVD]