Take A Wild Guess

also known as 銀幕漂流記

ヴァニラ・スカイ


スポンサーリンク

バニラ・スカイ (字幕版)

@CINEMA

原題:VANILLA SKY
2001年/アメリカ映画/137mins
監督:キャメロン・クロウ Cameron Crowe
製作: トム・クルーズ Tom Cruise/ポーラ・ワグナー Paula Wagner
原案:アレハンドロ・アメナバール Alejandro Amenabar/マテオ・ヒル Mateo Gil
脚本:キャメロン・クロウ Cameron Crowe
出演:トム・クルーズ/ペネロペ・クルス/カート・ラッセル/キャメロン・ディアズ

人はさらなる夢に手を伸ばす それがたとえ悪夢であっても…

スポイラー(ネタバレ)注意報発令中

あらすじ

マンハッタンの豪邸に住み、高級車を乗り回し、おまけにハンサム。完璧な人生を謳歌する出版界の若き実力者デヴィッド・エイムス。ジュリーという美しい恋人もいて、何不自由ないはずが、どこか物足りなさを感じていた。そんなある日、デヴィッドは親友の恋人ソフィアに一目惚れしてしまう。しかし、デヴィッドの心変わりを敏感に察したジュリーは、嫉妬に駆られて自ら運転する車でデヴィッドとともに崖に突っ込んでしまう。奇跡的に一命を取りとめたデヴィッドだったが、その顔は怪我のために見るも無惨に変わり果ててしまう…。

かんそう

金も名誉も女も手に入れたグッドルッキン’ガイ、トム・クルーズの自虐的な作品です。正直な話、ペネロペ・クルズが出てくるまでは良いテンポで進んでいたのだけど、彼女が出てきたことで急ブレーキ。僕はとことん彼女が嫌いなんだなぁ、と認識させられました。ところでトム君、「Jerry Maguire」と同じ演技をしていました。いくら同じ監督と再び組んだからって・・・トム君の株も少し下がりましたね。

作品は、観客をこバカにしたような雰囲気がずーっと漂い、この監督の、お前らにこれがわかるか?、という傲慢な問いかけが始終聞こえてきて途中からずっと閉口してました。はっきり言うと、観客の意識をもてあそぼうとして自ら作品にもてあそばれてしまった芸術家気取りの愚かな監督の自己満足映画です。こういう複雑な作品が分からないと駄目だよ、諸君!、みたいな感覚で映画を撮られちゃうと、観る方はそれがかなり鬱陶しくて嫌になるんだよね。

それと、「ちょっと複雑だったよね。」なんて感想が劇場を出る時に聞こえてきたんだけど、複雑そうに見せかけているだけであって実際はかなり単純です。本当に頭のいい監督というのは、映画が終るまで観客に考えさせる余裕すらもたせず、複雑なものをさらっと描いてくれるのだけどな。単純なものを複雑にするのは結構簡単なので、多くの監督がついついその誘惑に負けてしまうんだけど、実は複雑なものを徹底的に単純化することのできる監督こそ、名監督だと思います。

さて、ラストシーンで明らかになった現実と夢との狭間は、やはり予想していたとおりで、ヴァニラスカイを背景にトム君とクルズが仲良くアパルトメントは入っていくシーンからでした。

N.Y.の街角でトム君が、世界で独りぼっちになるシーンは圧巻ですが、トムとクルズのらぶらぶモードを全世界に見せつける目的以外、他にこの映画を製作した意味があったのでしょうか?

ということで、カット、カット!

 

バニラ・スカイ (字幕版)

バニラ・スカイ (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video