Take A Wild Guess

also known as 銀幕漂流記

オープン・ユア・アイズ


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オープン・ユア・アイズ

オープン・ユア・アイズ [DVD]

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原題:ABRE LOS OJOS
1997年/スペイン映画/119mins
監督:アレハンドロ・アメナバール
製作:フェルナンド・ボヴァイラ/ホセ・ルイス・クエルダ
脚本:アレハンドロ・アメナバール/マテオ・ヒル
出演:エドゥアルド・ノリエガ/ペネロペ・クルズ/ナイワ・ニムリ

あなたは、ただの一度も、目をあけたことはない。


B級映画としては稀にみる良作でした。これを観ると、トム君の『ヴァニラ・スカイ』がいかにくだらないリメイクであることがわかります。時を経てから(せめて2、30年後)、同じようにリメイクするのなら少しは理解できるのですが、わずか2、3年しか経っていないのに何から何まで同じように撮るというのはいかがなものでしょう。この映画の権利を譲り渡した監督、アレハンドロ・アメナバールには自分の作品に誇りというものがないのでしょうか。ほぼ完璧なリメイクということで、『ヴァニラ・スカイ』はキャメロン・クロウが監督した意味すらなく、そこらへんの映画学校の生徒でも撮れた作品でした。『サイコ』をリメイクした凡人、ガス・ヴァン・サントと同じレベルですね。

主人公は凄く嫌な性格をした金持ちのぼんぼんで、何一つ不自由無く生活していたため、事故で顔が潰れ極度の不細工となった後の惨めな人生が物語の進行上とても活きてきます。つまり、主人公が自殺してしまうほど絶望するのが理解できるのです。ところが、ヴァニラ・スカイで同じ役を演じたトム君は、自分のスターなイメージが崩れるのを嫌ったためか、そういうマイナス面をかなりオブラートに包んでしまった故、何だか哀れなだけで、ざまあみろという感情はわきあがりませんでした。その点、純粋に映画を良くしようと努力している分、オリジナルは見事だったと思います。また銃で警備員を撃ち殺すシーンがオリジナルにはあるのですが、このシーンもどうもトム君が嫌がって、「ヴァニラ・スカイ」では消されてしまったように思えてなりません。スターというイメージに縛られてしまったトム君の敗北が、そのまま映画の質を下げてしまったのです。

ところで、ペネロペ・クルズはスペイン語を話して演技するととても良いですね。僕は彼女が嫌いなのではなく、英語で演技する彼女のことが嫌いなだけのようです。しかし、同じ役を全く同じように演じて自らのキャリアに傷をつけるような真似をするのはどうかと思いますけどね。ここ一、二年のペネロペ・クルズブームもそろそろ終止符が打たれるのは確実に予期できます。

1998年東京国際映画祭グランプリ受賞

 

 

オープン・ユア・アイズ

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  • 発売日: 2014/12/08
  • メディア: Prime Video
 

 

オープン・ユア・アイズ [DVD]

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  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2000/03/17
  • メディア: DVD