Take A Wild Guess

also known as 銀幕漂流記

シリコンバレーの海賊たち


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バトル・オブ・シリコンバレー(字幕版)

原題:The Pirates of Silicon Valley
1999年/アメリカ映画/97mins
監督:マーティン・バーグ
製作総指揮:ジェフ・ドゥガーティ/スティーブン・ハフト/ニック・ロンバルト
製作:リーン・ムーア
出演:スティーブ・ジョブズ:ノア・ワイリー
ビル・ゲイツ:アンソニー・マイケル・ホール

あらすじ

世界を変えた2人、ビル・ゲイツとスティーブ・ジョブズを描いた、実話に基づくストーリー。 革命は誰も見ていないところで起こる。それはガレージの中で、学生寮の一室で、たゆみない努力と想像と策略の中から発生する。彼らは世界の仕組みや生活、コミュニケーションを、根本的に変えようとしていた。 No Rating (C) 1999 TNT Originals, Inc. All rights reserved.

かんそう

邦題:「バトル・オブ・シリコンバレー」

Jobs「I got first」
Gates 「I got a root!」

時代を読んだゲイツが結果的に勝利を治め、Windowsは全盛期を迎えた。現在アップルは、Wintel連合軍の後塵を拝したものの、狂信的なマック信者達を相手に殿様商売を続けている。

芸術的な車を作るランボルギーニでさえ、時代の波に飲み込まれアウディの傘下に落ちてしまったように、アップルもいずれそうなってしまうだろう。質の高いものを大量生産し続けている日本企業が救いの手をのべれば、アップルも現状を維持したままマイクロソフトにコストパフォーマンスで対抗できる製品を発表できるに違いない。同じく独自の道を歩むソニーがトップに居続けるのは、コストパフォーマンスを考え、消費者の視点を少しでも考えているからである。コストパフォーマンスを考えず、ただただ芸術家を気取る人間ほど始末の悪い人間はいない、という典型的な見本がジョブズである。

しかし、世の中何でもかんでも売れればいい、というものではない。ジョブズのようなバカが自分の道を貫いているおかげで、効率ばかりの世界に多少なりとも芸術的なものが存在し私たちの生活にいくばくかの潤いをもたらしているのは事実だし、それはそれで素晴らしいことである。

個人的に、機械的なウィンドウズより人間的なマックの方が好きだが、日本のマンションの小さな部屋にマックを飾るのは少し可哀想な気がしてならない。やはりマックは広々とした豪邸の居間にインテリアの一部として溶け込んでいるようなのが良い。それを考えると、結局マックは金持ちのためのコンピュータであり、僕のようにマックを飾る場所のない庶民はコストパフォーマンスの高いウィンドウズを選択するしかないのは少し残念なような気がします。

さてドラマについて。

Jobs「We are better than you are.」(俺達の方が優れてる。)
Gates「That doesn't matter」(そんなのは問題じゃないんだよ。)

ゲイツは市場を見事に味方につけ、優れていれば世間に受け入れられる、というジョブスを圧倒的な数の力で打ち負かした。優れているかどうかより、世間に受け入れられるかどうかの方が、市場では重視され、結果的に勝利を治める要因となる。そんな社会の方向性を皮肉った見事なドラマでした。コンピューターに興味を持たない人にも十分楽しめますので機会があれば是非にとおススメします。

また、個人的には、アメリカのドラマの質の高さを改めて思い知らされ、ますますハリウッドドラマへの依存度が高まってしまいそうな気分です。

 

バトル・オブ・シリコンバレー(字幕版)

バトル・オブ・シリコンバレー(字幕版)

  • 発売日: 2015/03/15
  • メディア: Prime Video