原題:ひかりごけ
1992年/日本映画/118mins
監督:脚本:熊井啓/製作:出演:内藤武敏/製作:相澤徹/原作:武田泰淳/脚本:池田太郎
出演:三國連太郎/笠智衆/奥田瑛二/田中邦衛/杉本哲太/津嘉山正種
現実に起こった人喰事件を基に、作家武田泰淳が昭和29年に発表した同名小説「ひかりごけ」を映像化した作品。小説の後半部分が戯曲になっていることから基本的には舞台用の題材である。そのため、映画という形をとって見せるよりも、臨場感溢れる劇場で役者の演技を目の当たりにした方が面白い作品であることは間違いない。
映画という形態をとる必要があったのか、という疑問しか覚えなかったこの作品は、どこかの劇場で演じているものをそのまま撮影すれば誰にでも撮れる映画になっている。つまり、映画であることの意味がないのだ。
邦画をだめにした映画監督を10人挙げろ、と言われれば、僕は迷うことなく熊井啓の名を挙げるだろう。