2009年度邦画ナンバーワン。
久々に邦画で☆☆☆MUST-SEE FILM☆☆☆評価を与えた作品です。
満島ひかりが新約聖書のコリントの信徒への手紙一第13章・愛の賛歌をそらで暗誦するシーンだけでも観る価値がある。
これぞ邦画の底力だ。 R-15指定されてるけど、この映画は中高生にこそ観てもらいたい。というか、中高生が観るべき作品の一つ。
細かい点が気にならないくらい突き抜けている。
邦画の集大成と言っても過言ではない。
また、昭和の邦画に見られた力強さが随所に見られ、園子温監督がテレビ屋から映画を奪い返したと言える記念すべき作品である。
満島ひかりが各映画賞において新人賞にノミネートされたり受賞したりしているが、ちょっと違和感がある。主演女優賞を与えるべきであり、新人賞とのダブル受賞になぜできないのか、批評家の見識を疑う。
また、話題の同性愛、自慰行為のシーンはかなりソフトで、園監督が自重したとしか思えなかった。「マルホランド・ドライブ」のナオミ・ワッツくらい過激でも良かったと思う。
コイケというキャラクターが誰かに似てるなと思い出してみたら「パーフェクトブルー」のキチガイ女マネージャーだった。目の離れているところなんかそっくりだ。
園子温監督は「変態」だ。
時効警察で園監督に興味を覚えて、「自殺サークル」、「エクステ」と観たんだけど、これらを観ると園監督がいかに「変態」であるかが分かる。その「変態」ぶりが「愛のむきだし」では良い方向に爆発してる。
だからと言って、決して一般受けしないということではない。誰かがこの映画は踏み絵だと書いていたのを記憶しているが、決してそんな極端なものではなく、テレビ屋の作る映画風テレビドラマ@劇場版に辟易していた映画ファンなら絶対に満足いく作品に仕上がっている。
とにかく観てください。