北野武のすごさを改めて認識させられる作品です。
オムニバス作品の中に「コールタールの力道山」というのがあります。これは「三丁目の夕日」への対抗心から生まれたのでしょう。三丁目のようなくだらないお涙頂戴ドラマがヒットしてしまう日本の安っぽさを笑った作品とも言えます。「コールタールの力道山」を観た後では北野監督の手による三丁目を観たくなりました。オリジナルの三丁目はこれからも見るつもりはないので。
とにかく北野武の監督としての才能が溢れているのがこの「監督・ばんざい!」です。でも、映画作品全体としてはあんまり面白くありませんのでご注意ください。
カンヌで上映された「素晴らしき休日」はわずか二分強の作品にも関わらずほんとに一瞬で心を奪われ、画の力強さで北野武に匹敵する監督が、現在どれくらい世界にいるだろうという思いを抱きました。早く最新作が観たいです。