Take A Wild Guess

also known as 銀幕漂流記

グリーン・デスティニー


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グリーン・デスティニー (字幕版)

原題:臥虎藏龍 CROUCHING TIGER HIDDEN DRAGON
2000年/アメリカ・中国映画/120mins
監督:製作:アン・リー
指揮:脚本:ジェイムズ・シェイマス
アクション監督=ユエン・ウーピン
出演:チョウ・ユンファ ミシェル・ヨー チャン・ツィイー チャン・チェン ラン・シャン

あらすじ

400年前に作られ、太古のパワーに満ちた秘剣"グリーン・デスティニー"。その使い手として名を轟かせる英雄リー・ムーバイと、女弟子シューリン。貴族の娘イェンと、盗賊の頭ロー。神秘の名剣に魅せられた4人の男女の死闘、復讐、そして運命の恋・・・。

かんそう

僕の知る限り、オスカーノミネート史上最低最悪の作品であることは間違いないでしょう。話題だけでノミネートされたあのゴッドファーザーパート3よりも酷い映画なので、時短プレイで鑑賞。

ハリウッドで活躍する中国系の監督と俳優が力を合わせた“世界映画”の誕生、
と言えば聞こえはいいが、同じような”世界映画”は今までも多数存在している。中国映画の過去の作品群を探求してみれば、世界的に有名な俳優や監督は出てこなくとも、グリーンデスティニーに優る作品はそれこそたくさんあるだろう。これだけ広大な映画をつくるのだったら、ラストエンペラー級の作品に仕上げて欲しかった。

結局、アカデミー賞には、単にイヴェントを盛り上げるためにノミネートされただけ。協会側もグリーン・デスティニーに作品賞を与えるつもりなど最初からなく、外国語映画賞でお茶を濁しておけばいいだろう、という扱いしかしていなかったように思えます。作品賞を受賞した、「グラディエーター」の当て馬、という言い方もできるでしょう。

アクションについて。
ワイヤーアクションを多用しカンフーの優雅さを見せようとしているが、逆に不自然な動きとなっているので、カンフーがマヤカシに思えてきてしまう。人間が自在に空を飛ぶワイヤーアクションは、スピード感がなければ全く無意味なもの。この程度のアクションに魅せられてしまう欧米人って、ほんと観る目がない。

アクション監督が「マトリックス」のユエン・ウーピンなので期待できるかと思っていたのですが、監督のファンタジー好きが災いして、ウーピンも100%の力を出し切れなかった印象を受けました。全盛時のジャッキー・チェンムーヴィーを観た方がどれほどすっきりすることか。

映画の合間合間に圧倒的な大自然のカットを挟んでいるのだが、これらは完全に反則。自然の美しさをこれでもかと見せつけることは、映像に自信の無い監督の逃げでしかない。もちろん、オスカー獲得のためには大切な要素なんですけどね。

ファンタジー・アクション・ラブストーリーとか天地に響き渡る愛と戦いのロマンス大作とかの宣伝文句は立派だけど、武術論も愛憎劇もつきつめて描かれていない。物語の底が浅すぎるので、つまるところワイヤーアクションと剣術アクションが主体の典型的な香港アクション映画でしかありません。アクションを観たい人だけにおススメします。
邦題「グリーン・デスティニー」は意味不明。

ということで、カット、カット。

グリーン・デスティニー (字幕版)

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  • 発売日: 2013/11/26
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