リミット:刑事の現場2
大根仁のページで知ったこと。
武田鉄矢がすごい。
この人、役者人生の大半以上を「いい人」として生きてきたせいか、昔から悪役願望が強い。その願望を最近立て続けに実現させているように見受けられる。ドラマ「BOSS」での爆弾犯、そして今回の「リミット:刑事の現場2」における悪徳刑事である。
昔、「たけし・所のドラキュラが狙ってる」という番組に出演した際、武田鉄矢は悪役を演じる俳優への願望というものを語っていた。それから10年以上の時を経て、ついに、ようやく悪役を演じられる場を与えられたのだろう。むしろ自ら進んで悪役を引き受けているようにさえ思える。
NHKが本気出すといつもすごいドラマを作るのだが、今回は武田鉄矢の悪徳刑事っぷりを拝ませてもらえただけでいい。それくらいすごい。ただテレビという制約の多い場だとまだ武田鉄矢という男の狂気の半分も見せることができていない気はする。
さてドラマの内容だ。
森山未來演じる刑事の正義感っぷりがうざい。ストーカー男のところへ行き、もうストーカー行為は止めるようにと説得してまんぞく、まんぞく、みたいな演出にはうんざり。話して分かる人間と話して分からない人間の違いすら見抜けないなんて刑事じゃないよ。まあ武田鉄矢演じる悪徳刑事の対比としての役所だから仕方ないのかもしれないけどリアリティが欠けていてその存在が気持ち悪くすらある。